iPhoneボディの耐久度は上がっても、ディスプレイを割ってしまったというユーザーは、今なお多いままです。そんな状況を見かねてか、アップルがiPhoneに搭載する格納式のスクリーンプロテクターを開発していることが分かりました。
バネのように飛び出し衝撃を吸収
米国特許商標庁(USTPO)は22日、アップルが新たに申請した「電子デバイスのアクティブ・スクリーンプロテクター」なる特許を公開しました。それによれば、アップルはiPhoneが落下した際、ディスプレイが割れないようにするため、iPhoneに格納するタイプのスクリーンプロテクターを開発しているようです。
それぞれのモーターがピニオンギアと連携しており、回転することでプロテクターが上下に可動する仕組みか、作動装置が直接プロテクターと繋がっているのかは分かりませんが、画像からは、ディスプレイ側から地面に落下しても、カーブしたプロテクターが、まるでバネのように飛び出し、衝撃を吸収してしまう仕様となっていることが分かります。
カメラやスピーカーで落下を判定か
落下時に、自動でプロテクターが出現するとなれば、すでにiPhoneに搭載されている加速度センサーやジャイロスコープ、高度センサーなどがフルに活用されることとなりそうです。
しかしアップルは、素早い勢いで近づいてくる物(つまり地面)の近接度合いを、モーションキャプチャー・ソフトウェアを用いて、カメラで判定したり、スピーカーなどの音響装置から発した超音波パルスの反響を識別することで、速度や高さを測定できたりすると説明しています。
なお、地面に接触した後、端末の動きが収まって一定時間が経過すると、自動でプロテクターは引っ込む仕様になっているとのことです。
実現可能性は低いが、ユーザーの期待は高い
これまでにもアップルは、落下時にモーターを回転させiPhoneの向きを変えることで、ディスプレイ割れを回避する装置を開発していたことが、特許によって明らかとなっていますが、今回の特許では向きを変えることは諦め、ディスプレイ側から落下することが前提となったようです。
ギーク・ガジェットの様相を呈しており、フォルムの美しさを追求するアップルの路線にはそぐわないことや、カバーなどのアクセサリー販売、割れたディスプレイの交換から得られる利益などが下がることを考えると、アップルにとって積極的に導入する理由はないため、実装される可能性は低そうです。しかし、これほどユーザーの目線に立った機能はなかなかないと言えるのではないでしょうか。
Source:Apple Insider
(kihachi)